加圧トレーニングとは

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加圧トレーニングとは

身体を動かした方が良いとは分かっていても、「身体を鍛える時間がない」「年齢や体力に不安がある」「持病があって運動するのが心配」、このように感じる方も多いのではないでしょうか？
短時間で無理なく・安全に・効率よくトレーニングできる方法として近年人気を集めているのが、加圧トレーニングです。

加圧トレーニングとは、腕や脚の付け根に専用のベルトを巻き、適切な圧力をかけて血流を一時的に制限しながら行う筋力トレーニング方法です。

この血流制限によって、筋肉は一時的に低酸素状態となり、体内には乳酸がたまりやすくなります。

すると、脳は「これは激しいトレーニングだ」と錯覚し、成長ホルモンの分泌が促進されたり、普段あまり使わない筋肉が活性化されたりするため、軽い負荷の運動でも、高強度トレーニングに近い効果を得ることができるのです。

時間がない方や運動が苦手な方でも無理なく続けられる上に、美容や健康へのメリットも多いため、加圧トレーニングは今、多くの人から選ばれています。

なぜ血流を制限するのか

加圧トレーニングの最大の特徴は、血流を「止める」のではなく、「血流を適切に制限する」ことにあります。

専用の空圧式ベルトを腕や脚の付け根に巻き、加圧と除圧を繰り返しながら少しずつ圧力を調整します。このとき、ベルトより先の部分（抹消部）に血液が一時的に貯留する「適正圧」を見極めることが重要です。

この状態では、普段血流が行き届きにくい毛細血管にまで血液が流れ出すようになり、筋肉は酸素が足りない「低酸素状態」に置かれます。

また、血流が制限されることで筋肉は「非常に強い負荷がかかっている」と錯覚し、速筋（瞬発力に関わる筋肉）が優先的に働きます。さらに、トレーニングを続けることで遅筋（持久力に関わる筋肉）も同時に刺激され、速筋・遅筋の両方を効率的に鍛えることができます。

つまり、加圧による血流制限は、

・成長ホルモンの爆発的な分泌
・筋肉・脂肪・代謝の全方位的な活性化
・筋線維の種類を問わず鍛えられる万能性

を実現する、非常に合理的なメカニズムと言えるのです。

科学的に裏付けられたメカニズム

こうした環境でトレーニングを行うと、筋肉には乳酸が蓄積し、それに反応して脳下垂体から成長ホルモンが大量に分泌されます。

実際、2000年の早稲田大学・宝田教授の研究では、加圧トレーニング中の成長ホルモン濃度が以下のように報告されています：

通常のトレーニング時の約10倍
安静時の約290倍

▶ 出典：
局所的な血流制限下の筋力（加圧）トレーニング法の開発と応用

しかも、この成長ホルモンの分泌効果は約2時間継続すると言われており、筋肉の成長だけでなく、脂肪燃焼・代謝向上・美肌など、美容や健康にも幅広い効果をもたらします。

成長ホルモンがトレーニングに重要な理由

1. 筋肉の修復と成長を促進するから
トレーニングによって筋繊維は微細に損傷します。その回復過程で、成長ホルモンは筋肉のタンパク質合成を促進し、筋肉の再構築（超回復）を支えます。

2. 脂肪分解を促進し、体脂肪を減らすから
成長ホルモンは、脂肪細胞から脂肪酸を放出させ、エネルギーとして利用しやすくします。つまり、脂肪燃焼を加速させる作用があります。

3. 基礎代謝を高め、太りにくい体質を作るから
成長ホルモンが働くことで、筋肉量が増える → 筋肉は多くのエネルギーを消費するため、基礎代謝（何もしなくても消費されるエネルギー）が上昇します。

4. トレーニング後の回復を早めるから
筋肉だけでなく、骨や関節、皮膚、内臓の修復・再生にも関与します。
特に加齢や運動後の疲労感が強い人には、成長ホルモンによる回復促進作用が大きな助けになります。

加圧トレーニングの６大効果

ダイエット効果

加圧トレーニングを行なうと増大する成長ホルモンによって、太りにくい体になります。また、トレーニングによって筋肉が増えると、脂肪が燃焼しやすい体になります。

血行促進効果

加圧と除圧を繰り返すことで、血管に弾力が甦ります。血行がよくなり、血流量も多くなるので、新陳代謝が活発になります。冷え性や肩こりなどの不調の改善が期待できます。

加圧トレーニング学会の中島氏により、加圧と除圧を繰り返すことで血管内皮機能（血流を調節する力）が改善された研究結果が発表されました

回復力アップ

加圧トレーニングを行うと、骨折や肉離れ、捻挫などのケガからの回復が早くなるとの研究データがあります。これは、成長ホルモンによって筋肉や骨の修復が早まるためと考えられています。

早稲田大学の宝田教授が整形外科患者を対象にした研究によると、前十字靱帯再建術後の患者が加圧トレーニングを行うことで、筋力と筋量の回復が有意に早まったと発表されました。

筋力アップ効果

軽い負荷で高い効果が得られるので、トレーニングを続けやすいのが特徴です。脳が重い負荷と錯覚して速筋が鍛えられ、それを長時間行なうことで同時に遅筋も鍛えられます。さらにケガなどもしにくいので、老若男女だれでも実践できます。

早稲田大学の阿部教授の研究により、週2回、3週間の加圧トレーニングで、大腿筋の筋断面積と筋力が有意に増加した結果が発表されました

アンチエイジング効果

加圧トレーニングで成長ホルモンの分泌を促すと、寝つきが良くなり、短い睡眠時間でも熟睡感を得られて寝起きがすっきりします。当然、不眠によるお肌のトラブルも解消されます。

快眠効果

成長ホルモンの分泌により、肌にツヤとハリが戻ります。成長ホルモンには細胞を新たに生まれ変わらせる働きがありますので、美肌効果も期待できます。また血管の収縮、拡張により血行も良くなり血液中の酸素・栄養も増えて新陳代謝が促進されます。

国家資格を保持したトレーナー

加圧トレーニングは、血流を適切に制限して行なうトレーニングのため正しい知識とノウハウが必要となります。下記のような注意点があるため第三者機関から認定を受けているトレーナーの指導を受けることをお勧めします。

注意点

01.負荷の選択が難しい

負荷の選択、トレーニングメニューの選択を間違えると上腕部（上腕二頭筋、上腕三頭筋）など、比較的、基礎代謝量と関係の薄い筋群の筋肥大が起こりやすい。

02.血流の制限には細心の注意が必要である

血液を制限して、高強度のトレーニングに近づけていきますので、血流量が少なく、ミルキングアクション（筋肉による血管のポンプ作用）が弱い方は、貧血症状などがでる場合がありますので、注意が必要である。

03.トレーナーにより効果に差が生まれる

トレーニング自体が特殊なメカニズムによって成り立っていますので、十分に経験を積んだトレーナーに指導を受けるのが望ましいです。加圧トレーニングは通常の運動生理学とは違う要素も多い為、正しい負荷とセット数などを考慮する必要があると思います。また基本的にはパーソナルトレーニングでの指導が一般的ですので、トレーナーの指導能力やスキルによって、大きく結果が変わってくる可能性もあります。

当センターでは医療系国家資格者による正しい加圧トレーニング指導を行っています。骨格と筋肉の専門知識を生かし、その方の骨格の歪みと筋肉バランスを考慮して最適なトレーニングを提供いたします。

加圧スペシャルインストラクターが在籍

加圧スペシャルインストラクター（KAATSU Special Instructor）とは、原則一年間以上の指導歴を持つ加圧インストラクター（KAATSU Instructor）を対象にKAATSU International University主催によるハイレベルな実践的指導法・施術法の習得に重きをおいた上級コースの講習会である「加圧スペシャルインストラクター（KAATSU Special Instructor）養成講習会」を修了し、合格した者に付与される資格です。

（引用：Kaatsu Training）